心の椅子

精神的支えのことを「心の椅子」と呼んでいます。思わぬ体調不良の予防に役立つと思い、このブログを立ち上げました。

当事者研究

対話の文化まつり 2024

小畑さんの対話の文化まつり2024がウイングス京都であり、参加してきました。 14時からのプレイベントでは、トーキングサークル体験会がありました。 17時からは、泉鏡花賞受賞作家の寮美千子さんの奈良少年刑務所で講師をされたときの話を拝聴しました。寮…

【さみしさの研究17】ASKA

ASKAが逮捕されたときは、ショックでした。熱烈なファンというほどではないですが、チャゲアスやASKAソロのCDアルバムも何点か持っていて、好きな歌手の一人でした。逮捕報道以降は、聞くことをためらいました。聞くことによって、いかなる理由でも正当化で…

【さみしさの研究16】オープン・ユア・アイズ

主人公セサルは、イケメンでプレイボーイの金持ちの息子。親の遺産がたんまりあり、また女性にも不自由しないという羨ましすぎる境遇の若者。 冒頭、車を車庫から出して街中を走行する。ふと違和感を感じて、車を降りて周囲を見渡すと、街に誰もいない。主人…

細川貂々さんと当事者研究

「ツレがうつになりまして」を読んだときは、生真面目でうつのツレさんに切れることはあるけれど、ツレさんを支える寛容でホンワカした奥さんというイメージでてんてんさんを捉えていました。 「生きづらいでしたか?」やその刊行時のトークイベント(釈先生…

【さみしさの研究15】さまざまなさみしさ

さみしさにも色々と種類があるようだ大学時代の飲み会の中で、話をうまく盛り上げられずに感じる孤独感 飲み会前は盛り上がりたいと願うが、大抵そうはいかず、帰り道に一層さみしさを感じた そもそも、飲み会で急に深まるような関係って、なんだか一過性の…

【さみしさの研究14】自問自答

年末に当事者研究を主宰し、自分のライフワーク的研究テーマである「さみしさ」について語った。その中で、さみしさに種類はないのかと尋ねられ、その場ではうまく答えられなかったが、考えるとても良い契機になった。さみしさというコトバで漠然としか捉え…

飲酒の研究

楽しんで飲むお酒は良いが、落ち込んだときに紛らわすための飲酒は良くない。仕事で悩み、欠勤・遅刻が目立つようになってきていた。ストレスを紛らわすための飲酒が続いてしまっていた。お酒で好転するわけでもないのは分かっていた。あるとき友人が禁酒し…

【さみしさの研究13】ヤマアラシのジレンマへの対処法

ヤマアラシのジレンマを感じ、人間関係の距離感・間合いを取るのが非常に難しい。遠すぎるとさみしいが、近づきすぎるとしんどくなる。また近づかれすぎると、これ以上は踏み込まないでと思う。 日常的な職場の人間関係くらいがちょうどいいのだが、連休は本…

【うまく伝えられないのひとり当事者研究】

話し言葉でも、書き言葉でも、伝えた瞬間に後悔し動揺することも多い。もっと良い言い方がなかったかとか、誤解されてしまったかもしれないとか、いろんなマイナスのお客さんがやってきてしまう。僕の吃音の原因の一つでも有るように思う。 へこたれてしまう…

変化は突然に

某所で話し合って考えを深めることができたことがあり、それは今年最大の収穫のように思う。「成長」や「回復」などと名付けられる大きな人生の変化に遭遇するときがある。そのような僥倖は、自律的、相互的、動的に起こるものだと思う。変わろう、変わらね…

【さみしさの研究12】「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」

原作はコミカルですが、映画はシリアスです。 主人公草薙素子は、脳以外はほとんど義体となったサイボーグ警察官(所属は公安9課)です。 映画では、原作にはなかった、草薙素子が休日にダイビングするシーンがあります。 同僚バトーに「サイボーグが非番に…

当事者研究の魅力の再考

最近ますます当事者研究に惹かれます。支援者として行き詰まり、出口の見えないトンネルを走行せざるを得ない状況の今がまさに、研究のしがいのあるときだと思います。そんな当事者研究になぜ惹かれるのかを改めて自分なりに考えみました。 1.自分のことを…

他部署に振れることは振ればいい

支援者当事者研究で、「他部署に振れることは振ればいい。それはその部署を信頼していることにもなる」とアドバイスがあり、腑に落ちた。 患者の様子を聞かれたら病棟に、再診の日程変更を医事課にそれぞれつなぐことができた。 窓口機能に、なんでもかんで…

【さみしさの研究11】橘いずみ"Dudada"

https://www.uta-net.com/song/255545/ "帰り道石を蹴りうなだれ泣くのやめるんだ""満たされない足りない欲しいものがいっぱい自分だけがちっちゃく見える人より劣っていたって負けていたって比べてどうするええい くそっ 何やってんだ もっと上だ" 仕事がで…

「型を身に着けたいけれど、見つけられない病」の研究

専門家のヨロイという言葉がある。当事者研究などでは否定的なニュアンスで使われるだろう。むしろ、ヨロイを抜ぐことによって対話が始まるのだとされる。私もそう思うが、いざ現場に立つとヨロイが欲しいのだ。何も持たされないまま、撃たれて痛い目に遭う…

【さみしさの研究10】ASKA「共謀者」

前回からだいぶ日が経ってしまいましたが、自分のライフワークとなるさみしさの研究をさせてもらいます。 仕事は相変わらず失敗も多く、前進している手応えが無くて困る。同期と比べても見劣りしているという劣等感にさいなまれる。不調に陥り、一時期は朝が…

苦労というヨーヨー

当事者研究では、苦労は決してネガティブなものではなく、自分をよく知り研究を進めるための重要なヒントになります。 ある当事者研究の場で、「そもそも、苦労ってなんだろう?」という一人の参加者の問いかけから、「手放したつもりがいつのまにか戻ってく…

生きづらさに向かう瞬間に立ち会えたこと

今自分に必要なのは自分へのダメ出しではなく、成功事例の蓄積だと思った。この前の当事者研究は心地よかった。あるスキルをもっているが、それを他者に全然理解されないという話だった。1時間経ち休憩後、別のテーマに移ろうという雰囲気だったが、研究主…

【さみしさの研究9】日曜日の夕方

最近、休日にさみしさをよく感じる。今年は新型コロナが流行しており、他者との接触が控えられているので、余計にそう感じる。以前は、友達にカラオケに誘われたりして、独り者でもそれなりにレクレーションがあり、さみしさを今ほどは感じなかった。 日曜日…

【さみしさの研究8】安部公房

今回、大学時代のさみしさを思い返してみて、自分のさみしさのルーツが分かったような気がする。それはしんどい体験ではあったが、悪いことばかりではなく、不完全燃焼の中自分なりにもがき、何かを求めていた時期で、小説もよく読んでいた。その中で安部公…

【さみしさの研究7】大学時代のもがき

私の生まれ育った家庭環境は常にストレスフルだった。平穏な時間だと思っても、家族の誰かによって乱されて台無しにされることが常だった。思春期は特につらかったけれど、勉強することは、私にとってストレス発散であり、心の平穏を保つためにはとても大き…

【さみしさの研究6】プラネテス(ネタバレ注意)

ふと漫画『プラネテス』を思い出しました。近未来のデブリ(宇宙ゴミ)回収業の乗組員たちの物語です。コミカルな話も織り交ざっている分余計に、シリアスな話が胸にささります。 主人公ハチマキ(星野八郎太)が、事故で宇宙空間を漂流した後、感覚剥奪室(…

【さみしさの研究5】「Zの選択」「#だれかとつながっていたいですか?」

NHKの「Zの選択」「#だれかとつながっていたいですか?」を見ました。 https://www.nhk.jp/p/ts/EKW783J6LK/episode/te/MRQXWYG318/ 番組説明より 「Z世代:いま現在25歳以下のニュージェネレーション。デジタルもSNSも使いこなし、新しい価値観を持つ…

【さみしさの研究4】ASKAの『草原にソファを置いて』

さみしさを感じ考えるとき、ASKAの『草原にソファを置いて』という歌(アルバム『One』所収)を思い出しました。 CHAGE and ASKAの都会的でおしゃれなラブソングもいいですが、ASKAソロの場合は、こういった孤独な人間の歌があります。 「結局一番遠かったのは…

【さみしさの研究3】『燃えつきた地図』

安部公房の小説『燃えつきた地図』を思い出しました。長い徒労の末、主人公の探偵は記憶を失ってしまいます。わずかな手がかりを頼りに電話をかけ、どうやら知り合いらしい女性が出てくれ、迎えに来てくれることになります。普通ならそれでよしとするところ…

【さみしさの研究2】石川淳への安部公房の弔辞

再び安部公房の話をします。彼が師と仰いでいた石川淳に対して弔辞を述べています。("弔辞ー石川淳" 1988.1.22、安部公房全集028所収)。ちなみに、弔辞を書いた5年後の1993年に安部公房は他界しています。当時私は高校生で、まだ彼の作品を手にしてさえい…

【さみしさの研究】安部公房

前回私が主宰した当事者研究の中お話させていただきました「さみしさの研究」のその後の状況です。 仕事をしているときは紛れますが、帰宅後一人でいるとさみしさに襲われることがよくあります。コロナ禍の中、何もない休日や連休に特に感じます。誰とも話さ…

当事者研究は、他者交流のリハビリの場

他者とコミュニケーションしたいけれど、その仕方が分からなかった。最初の一歩を踏み出す勇気がなかった。人と話したいけれど、緊張したり赤面したりで長続きしない。変な奴と思われていただろうし、意識するとさらにおかしくなって…大学卒業後、仕事が長続…

当事者研究のファシリテーターを目指して

当事者研究好きが高じて、いつしかファシリテーターを目指し、当事者研究を自分の支援スキルの中核としたいと思うようになりました。しかし、ハードルがありました。WRAPのような認定ファシリテーター制度がなく、講習もないのです。さて、私はどうやってフ…

苦労の「ヨーヨーモデル」

昨夜は、某訪問看護ステーションの当事者研究に参加してきました。 「そもそも、苦労ってなんだろう?」という一人の参加者の問いかけから、「手放したつもりがいつのまにか戻ってくるヨーヨーみたいな感じだろうか?」という話になり、とても盛り上がりまし…