心の椅子

精神的支えのことを「心の椅子」と呼んでいます。思わぬ体調不良の予防に役立つと思い、このブログを立ち上げました。

細川貂々さんと当事者研究

ツレがうつになりまして」を読んだときは、生真面目でうつのツレさんに切れることはあるけれど、ツレさんを支える寛容でホンワカした奥さんというイメージでてんてんさんを捉えていました。
「生きづらいでしたか?」やその刊行時のトークイベント(釈先生やNPO「そーね」の一ノ瀬さんと)
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/west/114228
では、ご自身を「ネガティブ思考クイーン」とおっしゃり、大分イメージが違うものを感じました。

てんてんさんは、生きづらさを赤裸々に描かれるところが面白くて、そういうときの言葉にある種のリアリティや重みがあり、すごく伝わってくるものを感じました。
当事者研究では、そういう言葉を大事にしたいなと思っています。

でも、いきなりうまくやれるはずもないのかなと思っております。
「生きづらいでしたか?」では、『「そーね」の当事者研究がはじまって4年くらい経つのですが
3年目くらいまではものすごく苦労しました』と一ノ瀬さんの苦労が書かれています。
「自分の苦労をお話ください」と提案しても、なかなかお話されない様子が描かれています。

それはそうだろうと思います。場や相手を信頼できぬうちは、お話できないものだと思います。
だから、「無理に話してください」とは言わないつもりです。雑談で終わればそれも良しと思うのです。

zoom上の私の当事者研究も、第一回目は誰も来ないところから始まりました。
2回目はFacebook上の友達のつてを使い、呼びかけ人を集めました。
とりあえず来てくれた人、これからも参加してくれそうな人がでてきて、少しずつ場が温まっていったようです。
軌道に乗るまで、最低一年くらいはかかったのだと思います。

そんなわけで、新しい場所でリアルでやらしてもらう当事者研究、あるいはお話する場も、最初からいきなりうまくいくはずもないのだと思います。スタッフや参加者の力を借りて、少しずつ形にできたらいいなと思っています。ぼくなりに「種をまきをみずをやり、場を育ててみたい」と思います。