心の椅子

精神的支えのことを「心の椅子」と呼んでいます。思わぬ体調不良の予防に役立つと思い、このブログを立ち上げました。

当事者研究は、他者交流のリハビリの場

他者とコミュニケーションしたいけれど、その仕方が分からなかった。最初の一歩を踏み出す勇気がなかった。人と話したいけれど、緊張したり赤面したりで長続きしない。変な奴と思われていただろうし、意識するとさらにおかしくなって…大学卒業後、仕事が長続きせずに、とうとう潰れてしまった…

なかなか素早く回復は出来なかったけれど、当事者研究や哲学カフェに出会えたことがとても大きな意味を持っている。

うまくはなくても話したらいいと思った。多少浮くのは仕方がない。どんなことでも、最初からうまい人はいないと思う。みんな経験してうまくなっていくのだと思えた。(とはいえ、最初からうまい才能のある人がいるのも事実だと思う)

最初の一歩を踏み出したとき、それを暖かく見守ってくれる人たちに勇気づけられた。

次第に私は話すこと、ナレーションに目覚めた。回復の過程で、何度かスピーチ依頼があったのも大きかった。

当事者研究を通じて、暖かい人たちとたくさん繋がれたし、自分の思いの伝え方も多少うまくなってきたと思う。

みんな話したいのだと思う。苦しみから一気に解放されることはない。まずは個人の具体的な体験を話す。そこに他者からコメントが入ったときに化学反応が起こる。

思いもかけない言葉で、救われたりハッとする。(逆に「んっ」となることもあるが)

今、コミュニケーションが格別うまい人ではないが、言いたいことは黙らないようにしている。打ち解けるのに時間はかかるが、一旦キャラクターを理解してもらえれば、関係を続けていけるようになったことが大きいと思う。

当事者研究を通じて自分の居場所を見つけられたのだと思う。そういう意味ではコミュニケーションのリハビリの場でもあり、癒やしや憩いの場でもあった。これからも当事者研究を続けたいと強く思う。