心の椅子

精神的支えのことを「心の椅子」と呼んでいます。思わぬ体調不良の予防に役立つと思い、このブログを立ち上げました。

プラネテス PHASE.4「ロケットのある風景」

デブリ回収業の乗組員ユーリは20歳くらいの頃に、世界を放浪する旅をしていた。焚き火で、ネイティブ・アメリカンの老人に相談している。
「ですから ただ僕は ……道標が欲しいんです 北極星のような明確で疑いようのない 自分の位置を知りまっすぐ進んでいることを確認できるようなものを 求めているだけなんです」
(ああ、私もそうだと思う。私も北極星のような道標を希求しているのだ)

老人は、「あなたの今いるここがどこかご存知ですかな?」と問いかける。
ユーリは「ネイティブアメリカン自治区」「アメリカ合衆国?」「北米大陸?」「西洋?」「地球?」と答え続ける。
老人は、「ふむ そうでもあるがね ここも宇宙だよ」と返し、ユーリは、ピンときていない顔をするのが、冒頭の回想シーンである。

とある事情でデブリ宇宙船が壊れ、新しい船が来るまで暇なので、とりあえずハチマキの実家を訪れるというのが今回の話。
ハチマキの弟がやんちゃで、自主制作しているロケットが迷走し、家に入ってくる始末。ユーリは、そのロケットを安定させるために一肌脱ぐ。

ユーリが、放浪の旅の思い出話をハチマキの弟にする。
「自分は何者だろう 他者とはなんだろう 権利と義務ってなんだろう 何がよいことで何が悪いことなんだろう 卵とニワトリはどっちが先なんだろう?」
「宇宙ってなんだろう 地球ってなんだろう 目からウロコの落ちる瞬間がくるのを期待しながら けっこう歩いた」

「まあ、そんなカンジでぶらついてら 北米の平野の丘の上で元船乗りのネイティブ・アメリカンの老人に出会ったんだ 星がよく出ていた」
「オレの疑問は老人に笑われちゃったよ 「お若い方あなたは物事をなんでもはっきりとさせようとしすぎる」」

「無いんだ 世界のさかい目が なんか…… それでいいと今は思うよ」

ユーリは0/100思考に囚われていたということかな。
若い頃は特に、絶対的な真理を知りたいと思うものだと思う。

しかし、問えども問えども答えは出ず、禅問答のようになる。
しかし、「それでいい」のかもしれない。疑問や不安を抱えつつ、今を生きることができるのであれば。