心の椅子

精神的支えのことを「心の椅子」と呼んでいます。思わぬ体調不良の予防に役立つと思い、このブログを立ち上げました。

映画「未来世紀ブラジル」

テロリスト(もぐりの配管修理)タトル氏と間違われ、クリスマスの夜に拘束され、尋問された上に死亡するという哀れなバトル氏。その一回上に住むジルは、なんとかしようと役所に陳情に訪れるが門前払い。さらに、間違いを追及するために政府から命を狙われることになる。ジルに一目惚れした役人ラウリーは、彼女を救うために動くが、彼自身も追われる立場になっていくというあらすじ。

『午前十時の映画祭11』で、去年京都シネマで観た。
小さなシネマでも、スクリーンには迫力があった。
何回も観ているはずだけれでも、小さな発見があった。

・逮捕されるバトル氏には、セリフが一切ない
・レストランの料理、ムース状で、まずそうだよな。うまそうな写真が乗っているだけに、なおさらみすぼらしい。
・カーツマン局長が骨折したと言ったのは、やはり仮病だった。
・バトル夫人に小切手の裏書きを依頼に行くシーン、子どもたちのいたずらで車が炎上するが、子どもたちが油のタンクを持つシーンに今まで気づかなかった
・女性の名前がジルであることを教えてくれる少女は、バトル氏の娘。冒頭で頭をケガしていたな。
・管理職必須のアイテムが、YESかNOかを決めるもの(ジョークアイテム)。ジルの付け届けもそうだったようだ。
・火力発電所?ごみ焼却施設?で、コンテナハウスを車に積む。ジルとともに逃走できたと妄想のシーンでは、森の中でそのコンテナハウスで暮らすものだったんだな。
・最後のタトルの体の周りに紙がまとわりついて剥がせなくなる、そしてラウリーが剥がすとタトルがいなくなる悪夢的シーンはやはり鳥肌モノ。

ブラックユーモアがふんだんで、テリー・ギリアム的な映像世界が素晴らしいと思う。
政府の情報統制、無謬性など、映画の世界と思っていたものが現実化しているようで、さらに怖くもなる作品だ。